厚さ3.5cmのまな板

我が家の台所に、単身赴任の身には不釣り合いな道具がある。厚さ3.5cmのまな板だ。父が実家をたたむ際、片付けの手伝いに行って持って帰ってきた。

兄が仕事のつながりのある人からもらった物を送ったらしく、とはいえ実家でも使い道がなくて2階に片付けられていた。たしか、イチョウの木だと言っていたように記憶する。

正直、邪魔になるだろうという予想はしていたのだが、なんとなく捨てるにはもったいなくて持ち帰った。当時持っていたのは、100円ショップで買った薄い朴のまな板だった。

使ってみると、やはりいいものはいい。当初は、適度の硬さがあって、切れない包丁が切れるようになった気がしたように思う。今にして思えば、朴の木はまな板には軟らかすぎると思う。

少しやっかいなのが手入れ。毎回、水洗いが必須だ。いろいろ調べてみたけど、結局使う前に表面を濡らし、使った後はそのたびに洗えということに尽きるようだ。もちろんすべてのまな板がそうなのだけれど、木のまな板は少し手を抜くとすぐに汚れてしまう。ただ、それがかえってまな板を清潔に保つことにつながるとも言える。毎回、水を流しながら亀の子たわしで表裏をこすり、キッチンペーパーで表面をぬぐってからキッチン台の壁に立て掛けて干す。少し手間だが、きちんと繰り返せば気持ちは良い。

一応、表(勝手に年輪の外側の方を表にした)を野菜等用、裏を肉類用と使い分けている。とはいえ、油揚げは表で切るから、むしろ表の方に油が染み込んでいる(肉類の油は都度水で洗い流すせいか、あまり染み込まない)。今のところ、どうにかまだカビなどは発生していないようだ。

あとはこれだけ厚さがあるのだから、表面の傷や汚れが目立つようになったら、表面をかんながけして再生させることが可能だろう。もっとも、果たしてそこまで使いこなせるかどうか……。かんながけの目安はどこにあるのか、また調べることが増えそうだ。